
長野・山村留学 大岡ひじり学園
大岡ひじり学園案内
山村留学事業の概要
山村留学事業は、都市部に在住する小学校の児童又は中学校の生徒が、山村留学生として一定の期間親元から離れ、農山村の自然体験と生活体験に根ざした活動の実践を通じて、「生きる力」を育み、活動期間中のみならず将来にわたっての成長に資することを主たる目的としています。
年間を通じた長期山村留学は、大岡農村文化交流センター(以下「センター」と言います。)で年間約200日、大岡地区の受入農家で約120日宿泊します。センターにおいては留学生同士で集団生活・共同生活をし、里親農家においては農家の生活をしながら、地元の小中学校へ通い、四季を通じた農山村の営みや様々な自然体験を重ねます。
1 山村留学生の受入れについて
山村留学事業は、長野市が運営し、企画・指導等は公益財団法人育てる会に委託します。
山村留学生は、1ヶ月のうち約20日をセンターで、約10日を地域の受入農家にて生活します。生活の拠点
はセンターとなります。
山村留学生の生活・活動・学習指導は、センター常駐の山村留学指導員が行います。
また、農家期間中は、受入農家が責任を持ってその指導を行います。
2 入園に必要な費用
(1)入園金 84,000円 (初年度のみ)
(2)施設費 84,000円 (年額)
(3)月 謝 小学生 76,000円
中学生 79,000円
※ 内訳 センター宿泊生活費 農家体験生活費 生活・活動指導費
山村留学傷害保険料 一般活動費
(4)個人生活必要費 (預かり金)
20,000円 (入園時)
10,000円~15,000円程度 (月額)
※ 内訳:学校教材費 PTA会費 学校給食費 学年積立金
個人消耗品費(衣料品・医療費・学用品)等
※ 預かり金は、センターの指導員が保護者から一旦お預かりし、個人別の出納帳に記帳のうえ、年度末に精算
します。
※ 年間で必要とする金額は、学年及び個人により違いがあります。
※ ヨット、キャンプ、スキー等センター外に宿泊したり、利用料がかかる活動の時は、特別活動料金として、別途
費用が必要となります。
(5)学園からの帰省及び集合については、常にセンター集合・解散となりますので、学園と家庭との往復旅費は保
護者の負担となります。
3 費用の納入について
(1)入園時には、入園金・施設費・月謝(4月分)及び預かり金20,000円を納入してください。
(2)月謝については、前月末日までに市指定の金融機関に払い込んでください。
なお、月謝を2ヶ月以上滞納した場合は、退園していただくこともあります。
(3)預かり金については、定期的にセンター職員から連絡・請求致します。
(4)中途退園の場合は、退園月の月謝は日割り計算とします。
(5)翌年度も継続して在園する場合は、月謝等は新年度のものを適用します。
4 転入学の諸手続と準備
詳細については、入園決定のお知らせとともにお送りしますが、概要は下記のとおりです。
(1)手続きは、山村留学児童・生徒個人として行います。
①転出証明書‥‥お住まいの市区町村役場・支所等へ届け出をしてください。
②在学証明書‥‥現在通学している学校へ申請してください。
③‥‥転出証明書を長野市大岡支所に提出してください。
④‥‥在学証明書等を大岡小学校又は大岡中学校へ提出してください。
⑤健康保険証‥‥本人の保険証をご持参ください。
(2)諸準備
①日用品 衣類・洗面用具・雨具・長靴・野外活動用品 他
(季節に応じて、随時保護者の方から学園にお送りください)
※ 華美なものは必要ありません。小遣いも教育的観点から必要ありません。
②学用品 ランドセル(学用鞄)・筆記用具・習字図画等の道具
体育用品(学校指定のものが必要です)
5 共通理解に立って
大岡ひじり学園の山村留学は、山村留学の理念を達成することを目的として、幾つかのルールを設けています。その内容・意図を充分理解のうえ、保護者の方から山村留学生へ指導・助言をしていただきたいと思います。
詳細な学園運営規則は、入園時に指導員から教育趣旨を説明のうえお渡ししますが、以下に代表的なものを紹介します。
(1)学園生は、でき得る限り「歩く」生活を基本にします。歩くという基本的な習慣の繰り返しの中から、山村留学生
は自然の息遣いに気がつきます。
保護者の方が来園した時でも、むやみに車に乗せることのないようご協力をお願いします。
(2)「欲求不満に耐える心」を培うことが、今の子どもたちには最も必要なことであると言われています。何でも自分
の思い通りになる生活をしていると、いつしかそれは子どもたちの心を歪ませてしまいます。
学園では、小遣い、テレビ、マンガ、ファッション等について規制を設けます。これは、山村留学生を束縛する
のではなく、持って生まれた自分の個性・特性を充分に発揮しながら、一年間の山村生活を送るためのもので
す。
(3)保護者の来訪は、山村留学生の自立心を高めるために、学園が定めた日時を原則としてください。定めた日と
は別に、自由に学園を訪れたり、農家を訪問することのないようにしてください。連絡調整は、指導員が窓口と
なり、その責任を負います。これは、山村留学生の心の安定を育てるうえでたいへん重要なことです。
(4)山村留学生と保護者が直接会える日時は、前記のとおり学園で定めさせていただきますが、郵便等での連絡
は、是非お願いをいたします。ただし、電話での連絡は原則としてお断りさせていただきますので、ご理解くだ
さい。
(5)山村留学生宛に日用品等を送る際、食品・玩具に関するものは同封しないようにしてください。
(6)保護者の方は、自分の子どもだけでなく、学園の山村留学生全員の親であるという認識に立って行動していた
だくとともに、1年間の山村留学生の成長を見守ってください。
(7)夏休み・冬休みの帰省中は、子どもとの対話を通し、心的状態について、できるだけ把握されますよう努めてく
ださい。
6 事故・病気の対策について
(1)医療機関は、長野市大岡診療所及び大岡歯科診療所を利用します。なお、歯の治療等通院が必要な病気
は、入園までに完治するようご協力ください。
(2)緊急時については、上記診療所、消防署、警察官駐在所、その他関係機関の理解と支援を依頼してありま
す。
(3)軽微なけが・病気については、保護者の方に連絡しない場合もありますので、ご了承ください。
(4)入院の必要がある場合は、保護者の方と連絡を取り、処置を相談いたします。
7 体験活動
山村留学は、「体験」の幅を広め、その質を深めることに教育的意義があります。
学園では主な柱となる体験を以下のとおりに設定し、日々の生活の中で山村留学生が、体験を通して成長して
いきます。
(1)基本的生活習慣
起床・洗顔・入浴・食事・学習準備等、基本的生活習慣の体得。
(2)集団生活(社会)体験
集団の中の一員として、協力・協調のみならず、自己主張・妥協等の体験から、豊かな人間性と他人を思い
やる感性を身につけます。
(3)礼儀作法体験
朝夕の挨拶、食事マナー等、社会生活での基本的作法を身につけます。
(4)乏しさに耐える体験
留学生活中は、親元にいる時と違い、物的に満たされないことが多いでしょう。しかしその中から、乏しさに
耐える力が身につきます。
(5)奉仕・勤労の体験
掃除・炊事の手伝い・田畑の仕事・動物の世話・その他の作業を通して、自我を抑えたり、労力を惜しまない
心を学びます。
(6)自分に打ち克つ体験
ホームシックを乗り越えること、また登山・キャンプ・野外活動等を通じて、厳しさを乗り越える喜びを体験しま
す。
(7)四季の自然体験
様々な野外活動を通して、四季の変化の美しさ、恵み、神秘的偉大さから、豊かな感性や謙虚な心情を育
みます。
また、日々の徒歩通学の中から、自然の移ろいを肌で体験します。
(8)農村・民族伝承文化体験
地域の伝承文化に触れながら、太鼓・民舞の活動を通して、四季とともに生きてきた先人達の自然への感
謝、畏敬の気持ちを学びます。
8 学園の生活
山村留学生は、毎月センターで約20日間、農家で約10日間生活しながら、大岡小学校、大岡中学校へ通学
します。基本的な生活をここに紹介します。
(1)山村留学センターでの生活
■朝の時間
起床は午前5時40分です。新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込んで、目の前に広がる北アルプスの山々へ
向けて朝の挨拶をします。
朝のつどいの後、センター外回りの清掃等を行い、朝食をとります。
学校への出発は7時。学校までの距離は約5.5kmありますので、山村留学生の体調に合わせて、3~4k
m程離れたスクールバスの停留所まで歩きます。
■学校・放課後
大岡小・中学校は、小規模校ならではの心温まる授業が繰り広げられます。
一人一人が主役となる、充実した学校生活です。
放課後は地元の子どもたちとともに、四季に合わせた様々な遊びの時間です。子どもたちは、大人のいない
自由な時間と空間を、自然の中で満喫します。
■夕べの時間
食事の時間は午後6時30分。山村留学生はこの時間までに宿題を終わらせ、入浴を済ませます。
食事後はセンター内清掃、自由時間、ミーティングを行い、小学生は消灯9時30分。中学生は、学習の時間
をとり消灯は10時30分です。
■週末等の休日
学校や地区の行事を勘案しながら、学園独自の年間カリキュラムに従い、できる限り自然とのふれあいを重
んじた活動を行います。
季節に応じた様々な活動、指導員と相談して、やってみたいこと、してみたいことに思い切り取り組みましょ
う。
(2)農家生活
農家では「農家の子ども」として生活します。1年間同じ農家に暮らすので、本当のお父さん、お母さんと同じ
くらいの気持ちが、山村留学生に芽生えます。
農作業の手伝い、家事のお手伝い等、家族の一員としての役割を担いながら、心のふるさとを山村留学生
につくります。
(3)山村留学指導員
山村留学生とともに生活する指導員は、親でもなく、先生でもありません。しかし、留学生活を通して山村留
学生にはかけがえのない存在となるに違いありません。
指導員は「育てる会」が派遣し、センター内及び体験活動等の指導にあたります。常駐する指導員は3名
で、山村留学を通した各種野外活動・教育活動の経験が豊富です。
(4)学園の運営管理
長野市が施設管理にあたります。
(5)センターの食事
できる限り地元の産物を生かした「手作り」の食事を目指します。
調理は地域の方にお願いし、信州の味、郷土料理、その他農山村にそのまま伝わる味を大切にしたいと思
います。
(6)長期休業期間(春・夏・冬休み)は、保護者のもとに帰省します。
前記のとおり、送迎は保護者の責任で行っていただきます。
(参考:令和元年度)
*夏休み 7月25日~8月21日
*冬休み 12月26日~1月6日
*春休み 3月18日~4月上旬
9 長野市大岡農村文化交流センターの概要
センターは、標高約900mの高原に位置し、眼前には北アルプスの大パノラマが広がり、日々、四季折々に
変化する農山村の風景が望めます。
このセンターは、山村留学の様々な生活・活動を考慮し、山村留学の実践に基づく考えを尊重した基本設計
により建設したものです。山村留学は、地域との交流も大切な要素となりますので、これらを総合的に推進でき
るよう考えられています。
建物は、山村留学生のスペースと交流活動のスペースに分かれており、山村留学生のスペースには、居室・
学習室・保健室・談話室・暖炉の間・浴室・洗濯室等が配置されています。
保護者の方が来園したときには、交流活動スペースでの宿泊が可能です。(※有料)
このセンターは、国の補助金により建設された施設です。都市と農村の交流を通じて、「新しき人づくりの里」と
して、山村留学生の心のふるさとづくりを目指します。
10 山村留学生の募集について
(1)山村留学を希望する場合は、長野市教育委員会学校教育課、長野市大岡支所、又は公益財団法人育てる会
東京本部・関西事務局へご連絡ください。募集要項・願書・調査書等をお送りします。
(2)申込み期間は、翌年3月10日までとします。
(3)願書提出後、2月中旬より3月上旬に入園面接を受けていただきます。内容は、教育心理測定・作文・親子面
接等です。会場は、東京・名古屋・大阪にて行います。
日時等詳細については、願書受付後にご連絡します。
(4)入園決定については、文書にて入園手続き及び入園準備の書類とともにお知らせします。
(5)学園の見学は随時受け付けております。ご遠慮なくお申し出ください。
11 募集基準
(1)小学3~6年生の児童、中学1~2年生の生徒(新年度)で、男女は問いません。
(2)心身ともに健康で、農山村での生活並びに学校への通学を希望し、意欲的な山村留学生活が可能であるこ
と。
(3)児童・生徒自身が山村留学を決心していること。
(4)保護者は、山村留学の趣旨を良く理解し、何事にも協調と和の精神で臨める人柄であること。
(5)山村留学に必要な費用を滞りなく納めることができること。
12 募集人員並びに期間
全学年を通じて15名程度。申込み多数の場合は、学年によって調整することもあります。
受入期間は原則として1年間(4月から翌年3月)ですが、山村留学生及びその保護者が希望する場合は、次年度も引き続き継続して受け入れをすることができます。