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山村留学 大岡ひじり学園とは

※大岡ひじり学園が実践する山村留学は、今から約48年前に、日本で最初に教育事業として、山村留学を始めた公益財団法人・育てる会が専門指導者を派遣し、長野市教育委員会が運営主体となって教育事業を展開する学園です。教育理念、体験群、指導法など、育てる会の理念に基づいて実践されます。

 

 また、学園の主催事業の大きな柱は3つあります。

 ・1年間の長期山村留学事業

 ・夏季、冬季の長期休業を利用した、短期山村留学事業

 ・国際交流事業(早稲田奉仕園留学生の交流受け入れ、日越交流事業、台湾日本語学校受け入れなど) 

 

*理念と展開される事業

 大岡ひじり学園のめざすもの、 それは、

『子どもが、自分の持って生まれた個性に目覚め、 自信を持ち、それを嬉々として自分の力で育んでいく子ども』

の姿です。

私たちは、このような子ども像を描きながら指導をすすめようと考えています

 

 そして、その子どもの理想像を実現するために、以下の5つの特徴とシステムが挙げられます。

 

1. 学園では、四季の移ろいを通した年間指導計画に基づき、下記の「3つの体験の場(センター・里親農家・学 

  校)」を通して様々な体験教育活動を行います。

2.  学園には、親元を離れ自立への第1歩を踏み出そうとしている山村留学生を支え、各種体験活動を指導する  

  育てる会専任指導員が常駐し、育てる会専任指導員は3つの体験の場を通した総合体験教育指導を行いま

  す。

3. 子ども達は、月の2/3を山村留学センターで生活し、残りの1/3を地域の里親農家で生活します。これを一

  年間繰り返します。

4. 学校は、地元の長野市立大岡小学校 、長野市立大岡中学校 に通学します。

5. 学園の教育指導は、山村留学実践において実績のある財団法人育てる会 から派遣された指導員が行いま 

  す。また、学園の各種事務担当並びに地域とのパイプ役は、長野市教育委員会が行います。

 

3つの体験の場

大岡ひじり学園の山村留学には、「センター」「農家」「学校」の3つの体験の場があります。

 

*センターでは育てる会専任指導員とともに多彩な体験活動

  • 異年齢からなる仲間との集団寝食体験

  • 歩くことを基本とした生活から得る様々な体験

  • お小遣い・テレビ・マンガ・ゲームを必要としない生活体験

  • 登山・キャンプ等の野外活動から得る自然体験

  • 四季の移ろいに則った、農作業などを通じて得る労働体験

  • 太鼓・民舞を通した、農村文化伝承体験と自己表現活動            

 

*農家では家族の一員となってくらし一生を通じて帰っていける「心

 のふるさと」をつくります

  • 四季を通しての田や畑作業のお手伝

  • 祭りなどの地域行事を通した、農山村生活文化の体験

  • 都市部ではなくなりつつある、地域連帯感の中で暮らし、心身で学ぶ

  • 地産地消の豊かな食文化

 

 

*学校では地元の子供として、小規模校ならではの、「一人一人が主役」という環境のなかで学習します。

  • 長野市立大岡小学校長野市立大岡中学校 へ通学します

  • 小規模校の特徴を生かした、落ち着きあるのびのびとした校風

  • きめ細やかな学習指導(中学校ではチームティーチング等を実施)

  • 地域の特性を生かした学校行事

  • 地域住民に温かく見守られながら、地元の子どもや先生方とのつ

 

 

*沿革

①山村留学事業への取り組みと動機と準備期間

 1990年、豊かな自然環境を残す大岡村(現長野市大岡地区)にも、過疎化・高齢化の波が押

し寄せ、昭和35年には4500人あまりあった人口も、平成元年には半減し、学童数も年々減少を続

けました。このような現実に対処する方法として、村行政が山村留学事業に注目し、平成元年から

全国の先進地の視察研修を行いました。

ところが、先進地を視察する中で、単なる過疎対策・児童生徒減少対策だけで山村留学事業に取り

組むのでは限界があり、山村留学事業は子どもたちへの教育的視点が第一義であることを行政とし

て学びました。そこで単なる過疎・学童対策ではない山村留学事業を目指し、平成7年度に山村留学事業推進委員会を組織し、過疎対策・児童生徒減少対策ではなく、大岡の特徴を生かした、日本の新たなる山村留学事業にむけて準備を進めてきました。

 

②大岡村の山村留学の主旨

 大岡村では山村留学事業を、農山村文化・自然を媒体とした教育的事業であることを念頭に置いて、「教育を中心に据えた総合的地域活性化事業」として捉え、地域が一体となって、21世紀を担う子どもたちの財産作りを進めようと考えました。村に残された自然環境や、農村ならではの生活の営みを、教育素材として活用し、ひいては住民の心の活性化を図ることを目的としました。

 この様な考えから、従来の山村留学にはない『都市と農村の交流』というコンセプトをかかげ、村行政が運営主体となり、村の子どもも参加する山村留学を実施することにより、真の活性化を目指しています。

 

③事業推進のための受け入れ態勢の整備

  上記の目的を実現するために、山村留学事業において、最も先駆的かつ実績のある、青少年社会教育団体・公益

 財団法人育てる会の協力を仰ぎ、具体的実践方法の検討をすすめてきました。

・山村留学センターの建設

  山村留学事業の拠点施設となる農村文化交流センター(山村留学センター)を、中山間地域資源活用整備事業と

 いう国の補助の適用を受け、建設をしました。この事業は、中山間地域が保有する森林・農地・河川等の自然景観、

 地域特産物、伝統文化、工芸等の多種多様な資源を最大限に活用し、都市住民が自然体験・学習・農業体験・農村

 生活等活動が行えるような、テーマゾーンを効果的に整備するもので、大岡村では、特に山村留学を核とした地域活

 性化ゾーンと位置付けています。

  この建物は、主に山村留学生の住居スペースと交流スペースに分かれており、都市と農村の交流を念頭に、育て

 る会30年にわたる活動実践をふまえ、1人1人の子どもが個性を発揮し、自由かつ多様な体験活動を行えるよう設

 計・建設されています。

・地域住民への広報研修

  大岡村では、事業推進のために、住民に対する事業説明会や、留学生受け入れに関するアンケート調査を実施し

 たり、山村留学発祥の地である八坂村を視察し、村内の受け入れ態勢の整備を進めてきました。

  また、留学生受け入れを予定している農家は、先進地視察を行ったり、育てる会に講師をお願いし、山村留学事業

 の主旨・受け入れ農家の役割等についても研修を行ってきました。 

・教育指導体制の整備

  山村留学生の指導は、育てる会より指導員の派遣を受け実施をします。指導員の配置については、2名の活動生

 活指導員、1名の食育専門指導員の計3名を育てる会より配置し、行政からは1名の事務職員、食事調理員として地

 域から3名の方にお願いし、計7名の職員で指導を行っています。指導者は子どもたちと共に生活をしながら、地域に

 溶け込んだ様々な交流活動を企画・促進をします。また、豊かな自然環境を十分に活用し、環境問題等についても子

 どもたちと共に考えていきます。

・長期留学生の受け入れがいよいよ開始される

  平成9年度より、山村留学事業がいよいよスタートしました。15名の子どもたちが山村留学第1期生として入園をし

 ました。

・今後の展開・抱負

  大岡の山村留学は長野市合併後も、事業として『都市と農村の交流』という大きなコンセプトをかかげ、真の活性化

 を目指しています。そのためには、受け入れ農家や学校関係者、山村留学推進関係者の他に、全地区民が何らか

 の形で、この事業に関わることが重要であり、そうすることによって事業を推進していかなければ、目標を達成できま

 せん。今後も事業を推し進めるにあたって、地区住民と共に多様な事業展開を図ることを課題とします。

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